みなさんお気づきかもしれませんが、
旅行・移住などを含め日本に訪れる外国人の数は年々増え続けています。
韓国人の訪日者数は2017年の段階では中国に続き2位となっており、かつては第1位の訪日者数となっておりました。
(統計データ(訪日外国人・出国日本人)|統計・データ|日本政府観光局(JNTO)参照)
日本の観光名所といえば東京・京都・大阪・奈良などその他多々あるとは思いますが
こちらをご覧いただくと外国人が旅行する際に人気の観光名所の中で京都の観光名所がかなり多い事に気付かされます。
京都といえば日本人にとってみても主要観光地ですからね。
となると日本に訪れる韓国人は京都に観光に行くことが多いであろうという予測が立てられます。
そこで今回は、
『訪日者数の多い韓国人』と
『人気観光名所の京都』
に焦点を当て、韓国と日本、それぞれ同じ京都でもどういった場所を人気スポットとして紹介しているのか比較してみたいと思います。
今回の比較方法
皆さんは外国に旅行しに行くとなったらその国のことをどのように調べますか?
もちろん本を買ってしっかり計画を練る方もおられるでしょうが、無料で手軽に簡単に情報を手に入れられるため
最近の傾向としては手元にあるスマホでその行こうとしている現地情報をまずは手軽に調べるのではないでしょうか?
そしてその観光名所の検索をしたなら、気になるキーワードを検索して検索結果の上位にある記事を読む方は多いはずです。
ちなみにこちらの記事によると検索結果の一番上にある記事から順に見られる事がわかります。
つまり単純に1番上にある記事は一番見られるということ。
そして、調べる際は何で調べるのかという事ですが、
「検索エンジン日本でのシェア「1位はYahoo、2位はGoogle」?」
によるとタイトル上ではYahoo!が一位っぽく見えますが、
スマホではGoogleで検索する人が多い事がわかります。
最近ではスマホの利用者が増えていますので、今回は上記にあるGoogleでの検索を元に調べてみたいと思います。
ですがこれらは日本のデータ。
一方の韓国ではどうなのか。
現在韓国内で一番使用されている検索サービスはNAVERです。
少しデータは古いですがこちらによると韓国国内の検索回数でシェアの77%を占めていると言われています。
となると韓国人の多くはGoogleを使わずNAVERを使っているということで、ソースはNAVERから引っ張ってきた方が良いと思われます。
ですので、今回調査するにあたって、
『京都 観光名所 ランキング』
という検索ワードをそれぞれの検索サイト上位にある記事から抜粋して比較したいと思います。
では早速見ていきましょう!
日本での京都旅行人気スポット
まずは日本のウェブサイト上での京都の観光名所のランキングからご紹介致します。
参考サイト
今回は日本でのスマホ検索1位のGoogleから一番上位にあったこちらのサイトにあるランキングを参考させていただきました。(2017年10月時点)
京都観光名所ランキング(日本)
- 清水寺
- 伏見稲荷大社
- 金閣寺
- 嵯峨野トロッコ列車
- 東寺
- 渡月橋
- 南禅寺
- 天橋立
- 三十三間堂
- 平等院
清水寺、伏見稲荷大社、金閣寺と修学旅行で行ったことのあるような有名な観光名所が並びました。
韓国での京都旅行人気スポット
続いて韓国のウェブサイト上での京都の観光名所のランキングをご紹介致します。
参考サイト
今回は韓国検索サイト1位NAVERから一番上位にあったこちらのブログを参考にしました。(2017年10月時点)
京都の観光名所ランキング(韓国)
- 京都タワー
- 京都国際マンガミュージアム
- 哲学の道
- 三条大橋スターバックス
- 銀閣寺
- 清水寺
- 二条城
- 金閣寺
- 鴨川
- 単伝庵
一方韓国では京都タワー、京都国際マンガミュージアム、哲学の道という並びになりました。
日韓人気スポットの比較結果
さて、上記の2つを比較してみた結果、思いもよらないランキングの違いが出ました。
日本での1位は清水寺
韓国での1位は京都タワー
日本での2位は伏見稲荷大社
韓国での2位は京都国際ミュージアム
日本での3位は金閣寺
韓国での3位は哲学の道
という結果に。
一体なぜこのような違いが出てしまうのでしょうか?
結果に対して3つの理由を考察
では日本と韓国では何が違うのでしょうか。
今回3つの理由があると推測しました。
国民性から見る目的の違い
その理由の一つは韓国人と日本人の目的の違いにあると言えます。
仮に日本人が京都へ行くとした場合…
伝統的な歴史建造物などを見て写真を撮り、『〇〇へ行ってきた』とみんなが知っているような観光名所を巡るのが筋。
むしろ京都に行ったのにその有名な観光名所を回っていないというのはありえないという感覚すら覚えます。
しかし!
それはあくまでも日本人的な考え方であって、韓国人からすると日本の歴史的な建造物を見に行くということは日本ほど当たり前なことではない可能性があります。
さらに韓国から日本へ旅行する韓国人にとってみたら『建造物を見に行くために旅行する』というよりは『日本を満喫する』『京都を満喫する』ということが主の目的であるのと
『京都の美味しいものを食べに行く』という目的
(韓国人は挨拶時に相手にご飯を食べたか必ずと言っていいほど聞くぐらい食べ物に関しては「かなり」気を使います。)
から、建物は見たが、美味しいものを食べて来なかったなんてことはまずない感覚でしょう。ですので、そこまで歴史的建造物を絶対に見に行かなくては!という感覚が日本人よりは少ないという側面があります。
歴史・政治面での影響
もう一つは、歴史教育の面もあると考えられます。
歴史的に見ても日本と韓国では政治面からいって近寄りきれない側面を持っています。
そして政治と教育はセットな為、幼い頃から日本が歴史的に韓国にとって悪だというイメージを植え付けています。(もちろん明らさまにではなく)
先日見に行った『I can speak』という韓国で今上映中の映画でも日本の悪いイメージを映画内に混ぜ放映していたりと、知らず知らずに国民に
日本=歴史的悪
のイメージがついてしまうのも無理はないのです。
こういった面から、日本に旅行する上で、その敵対している歴史的・政治的に悪な日本の歴史的な建造物を見に行ったところで韓国人的にはそんなに魅力的ではないという考え方もできるのです。
これについてはこちらの記事も参照ください。
検索エンジンの違い
3つ目は検索エンジンの違いです。
冒頭にも述べましたが、日本と韓国の検索エンジンのシェアが違います。
今回それぞれその国でよく使用されている検索エンジンから抜粋しているのですが、注目すべきはその検索結果のアルゴリズムの違いです。
Googleはユーザー目線が第一になるよう、検索ワードに対してGoogleが近いキーワードまで含めて探し出す上、ユーザーに求められているコンテンツの質を重要視しているのに対して、
NAVERは検索の上位に表示される記事は『コンテンツ内容』というよりは『最新記事』『更新度』といったことが重要視される仕組みとなっているのと、
分野がカテゴリ分けされていて、その中での検索結果表示という形式を取っています。
さらに『検索ワード自体が入っている記事』が検索結果に反映される仕組み(関連キーワードは含まない)となっているため、Googleとの検索結果に大きな違いが生まれるのです。
その上、ブログの分野においてはNAVERが提供しているNAVER blogが上位表示されやすい仕組みとなっています。
こういった理由から、その検索アルゴリズムを用いたNAVERに載っていた記事自体の質に問題があるとも言えるのです。
(しかしながら韓国国内ではNAVERの利用者数が多いことから1位のこの記事がよく読まれているのは間違いないので、韓国人たちはこれを参考にしていると言えます)
最後に
今回調査してみて、このような結果になるとは思ってもみませんでしたが、
原因としては上記のような理由が2国間での違いを生む原因となっていると推測しました。
もちろん、韓国のその他のサイト・ブログには日本のランキングにあったような名所が入っているページも存在していましたので、今回の上位1ページのみに絞ったのも偏りが出た一つの原因だとは思います。
ですが
同様に韓国へ旅行する日本人の巡るスポットが韓国人からしたら「なんでそんなところに行くの?」という場所を巡っていたりということが実際にあるのです。
こういった国によるギャップは少なからずあるということ。そして
日本人の日本人的な感覚からみた京都という場所と
韓国人の韓国人的な感覚からみた京都という場所では
人気・おすすめの場所・目的がこうも変わるのだと言うこと。
これは冒頭でも述べたように年々増え続ける訪日外国人に対する対策として旅行・観光ツアー会社の方々は特に念頭に置いておいたほうがいいのではないかと思い記事にしてみました。
最後までご覧いただきありがとうございます。
コメント
確かに日本人って、文化遺産・歴史遺産好きですね。
「新しい街並み」より「歴史的な風景」を見たいし、「今どきの生活」は都会で体感すればいいと思うし・・・
韓国の方だけでなく、それぞれのお国柄で、いきたいところ、見たいものがちがうんだろうなあ。
観光戦略的に考えたら、面白いことになりそうです。