2001年に韓国で公開されたクァク・ジェヨン監督の『猟奇的な彼女』。
低予算で作成された映画でありながらも大ヒットとなり、瞬く間に動員数400万人を超えるなど韓国映画を象徴する作品のうちの1つとなりました。
今回はそんな『猟奇的な彼女』のストーリーはもちろん、ロケ地も併せてご紹介します。
究極のツンデレ、ならぬツンツンだらけの彼女に振り回されるラブコメディを是非観てみてください。
『猟奇的な彼女』のあらすじ
引用:YouTube
気の良い性格でありながらも何となく残念な男という印象を受ける大学生のキョヌ(チャ・テヒョン)はある日ひょんなことから電車で酔っ払っていた彼女(チョン・ジヒョン)に出会います。
一見、誰もが見とれてしまう綺麗な女性の彼女でしたが、なんと性格は正反対。
勝気で曲がったことが大嫌いな女の子で、見ず知らずの人にも臆さず注意をしたり意見を言います。
挙句の果てにはすぐに「死にたいの?」と言ったり殴ったりする暴力的な部分まで。
それでも怒ったかと思うと泣き出したりする姿を見たキョヌは彼女の心の底にある影を感じ、傷を癒したいと感じるようになり、彼女のペースに巻き込まれるように行動をともにするようになります。
友達以上恋人未満の関係のまま交流を続ける2人ですが、彼女は誕生日を祝うように命令したり、キョヌの大学まで会いに来たりと端から見ていると恋人のようでもありました。
引用:naverblog
そしてキョヌはできる限り彼女の要求に応えてあげるのですが、さすがはどこか残念な男、ことごとくトラブルに巻き込まれたり彼女にビンタされたりと踏んだり蹴ったり…それでも刺激的で楽しい日々を過ごしていました。
彼女といる時間が増えるにつれ、徐々に彼女の心の傷が癒えているように感じたキョヌは別れを悟るようになります。
付き合うのか、はたまた一生この友情を続けるのか。
彼女はキョヌにお互いに手紙を書いてタイムカプセルに入れて埋め、2年度に2人で開けることを提案します。
これが彼女との最後でした。
『猟奇的な彼女』ネタバレ・結末
引用:Twitter
2年後、キョヌはタイムカプセルを開けに約束の地に来ます。
ですが彼女は現れませんでした。
キョヌはこの2年間、彼女との思い出をネットに綴りそれが映画化されるなど着実に彼女に恥じない自分になるように努力していました。
キョヌは1人でタイムカプセルを開け、彼女の手紙を読みます。
そこにはキョヌが気になっていた彼女の心の傷が描かれていました。
キョヌに出会う1年前に恋人が死んだこと、そして彼が亡くなった1年後に偶然キョヌに会ったこと、恋人がしてくれたことと同じことをキョヌに要求し続けたこと、そして恋人に罪悪感を持ちながらもキョヌを好きになってしまったこと。
約束の日の次の日、彼女も約束の地を訪れ、キョヌの優しさを感じるのでした。
引用:naverblog
彼女は1年半のイギリス留学を経て恋人との思い出にようやく別れを告げることができました。
そして恋人の母親にその話をします。
恋人の母親は心から彼女の幸せを願い、甥を紹介します。
引用:naverblog
―そこに居たのはキョヌでした―2人は偶然という名の運命の元晴れて結ばれるのでした。
『猟奇的な彼女』の見た感想
引用:naverblog
彼女は恋人の死という悲しい過去を背負っているものの、物語自体はコメディ要素が強く、悉く彼女に振り回されるキョヌの姿にクスッと笑ってしまいます。
構図的には我儘な彼女に振り回されているだけのように思えますが、実際にはキョヌの優しさ、包容力が垣間見れ、思わずキュンとしてしまいます。
それが一番よく表れていたのが彼女のお見合い相手にキョヌが彼女と付き合う心得を話す場面。
心得もかなり数が多く、わざと殴られてあげることや、女らしさを望まない、などどれだけ彼女のことをよく見ていたかがわかります。
その話を聞き更にキョヌのことを好きになる彼女。
彼女は恋人にしてもらったことと同じことをキョヌに要求していた、と語っていましたが、寂しさや傷つきからくる「試し行動」をキョヌにしていた部分もあったのかもしれません。
全てを包み込んであげるキョヌの本当の意味での男らしさが見てとれます。
『猟奇的な彼女』のロケ地は?
延世大学(ヨンセデハク)と新村(シンチョン)
引用:naverblog
『猟奇的な彼女』の舞台となっている場所は沢山ありますが、その中でも2人がキョヌの大学でデートする場面。
なんと彼女の提案でキョヌが彼女のハイヒールを履き、彼女がキョヌのスニーカーを履くことに。
そんな面白い場面が撮影されたのは韓国の中でも有名な大学の1つである延世大学(ヨンセデハク)です。
その際に2人が座っていたベンチも延世大学にありますよ。
延世大学のある新村(シンチョン)には他にもいくつかの大学があるので居酒屋や食堂などが多く、学生街として賑わっています。
そしてそのお店の中にキョヌが友人と食べていたプデチゲ屋さん「チョルビョンプデチゲ」もあります。
引用:tistory
タイプカプセルを埋めたペグン農場
引用:naverblog
そして何と言ってもロケ地として外せないのは2人がタイムカプセルを埋めた木のあるぺグン農場。
ぺグン農場はハムベク駅から市内バスで15分ほど行ったところにあり、『猟奇的な彼女』の公開以降、各地からファンが訪れる観光スポットになっています。
『猟奇的な彼女』まとめ
引用:naverblog
いかがでしたでしょうか。
会えなかった2年間、キョヌは彼女を思い続け彼女に恥じない人間になるよう日々努力します。
そして彼女もまた恋人との思い出を感じながらも前を向く努力をしていたのでした。
本作の最後に「努力した人に偶然という橋を架けてくれる」という言葉が出てきますが、まさにお互いがしっかりと前を向いて歩み続けたからこそ訪れたハッピーエンドだったのではないでしょうか。
韓国好きであれば一度は耳にしたことがあるであろう『猟奇的な彼女』。
ただのラブコメディではなく涙あり、胸キュンありのこれぞ韓国映画と言った作品になっています。