2018年に韓国で公開されたイ・ソックン監督の『君の結婚式』。
韓流ドラマの代名詞とも言える「切ない純愛物語」を見事に韓国映画として表現しています。
また、ただの純愛映画ではなく、クスッと笑ってしまうユーモアに溢れた要素もたっぷり盛り込まれています。
そんな笑える要素を含みつつも、ラスト10分ではグッと感情が持っていかれ、思わず涙してしまいます…キュンとしつつも笑って、そして切なくなる『君の結婚式』。
是非見てみてください。
『君の結婚式』あらすじ
スンヒ(パク・ボヨン)(左)とウヨン(キム・ヨングァン)(右)
引用:Pinterest
出会いは高校3年生、転校生のスンヒ(パク・ボヨン)にお調子者のウヨン(キム・ヨングァン)は一目ぼれします。
複雑な家庭環境からなかなか人に心を開かないスンヒでしたが、しつこく追い回してきつつも、純粋で真っ直ぐに自分のことを考えてくれるウヨンに徐々に心を開いていきます。
ですが、ようやく両想いになれたと思った瞬間、家庭の都合でスンヒは突然ウヨンの前から姿を消してしまいます。
その後、ひょんなことからスンヒが通っている大学を知ったウヨンは人生初の猛勉強をし、大学合格後、晴れてスンヒと再会を果たします。
ですが、そこに待ち受けていたのはスンヒにはすでに恋人がいるという事実でした。
それでもめげないウヨンはスンヒとつかず離れずの距離で側にい続けます。
その後、今度はウヨンに彼女がいた時期や軍生活などで全く会わない時期があるなど、すれ違い続けた2人でしたが、時を経てようやく2人は付き合い始めるのでした。
あらすじ(ラスト・ネタバレ)
引用:YouTube
晴れて付き合い始めてからはとても幸せな生活が続きます。
ですが、夢を追うスンヒに比べ、ウヨンは付き合う直前に不意の事故からスンヒを庇った際にできた古傷が疼き、夢であった教師の道に進むことができず、苦心していきます。
そんなある日ウヨンが友人にスンヒと再会したことを後悔しそうだ、と苦しい胸の内を語っているところをスンヒが聞いてしまいます。
スンヒとウヨンは別れを選び、お互い別々の道を歩み始めるのでした。
数年後、教授の推薦で無事に中学教員になれたウヨンの元にベルギー留学から帰国したスンヒが訪れます。
そこでスンヒから結婚することを告げられたのでした。
ウヨンは自暴自棄になるものの最後は結婚式に赴き、これまでの感謝をスンヒに伝え、心から結婚を祝福するのでした。
『君の結婚式』みどころ
引用:Pinterest
この映画ではウヨンは優しく、スンヒの為に常に精一杯尽くす姿が描かれている一方で、スンヒは少しツンツンしていて、女の子にありがちな次の恋愛への切り替えの早い姿が描かれています。
実際、2人が付き合い始めるまで、スンヒはウヨンを気にしつつも、意地っ張りな様子が全面に押し出されています。
ですが、付き合いだしたらスンヒの態度は一変。
ツンツンしていた姿はどこへ?というほどラブラブな2人の姿が描かれています。
付き合っている2人の姿は私たちがイメージしやすい、これぞ韓国カップル!というような、まるでインスタグラムや韓国ドラマのワンシーンを切り取ったような可愛さです。
また、思わず胸キュンしてしまう真っ直ぐなウヨンから発せられる言葉の数々にも注目です。
『君の結婚式』を見た感想
引用:Twitter
恋にはタイミングが重要である、というテーマがこの映画では10年という歳月を通して描かれています。
また、一瞬ですれ違うタイミングの合わないもどかしさ、恋愛の難しさも非常によくわかります。
高校生の頃からウヨンが何としてでも手に入れたかったスンヒとの未来。
高校時代から望み続けた最大の幸せを長年の歳月をかけてようやく掴んだはずでしたが「-再会したことを後悔している―」その一言が、人はその幸せに慣れてしまうとそれが当たり前になってしまう、という怖さを物語っています。
もちろん人が成長していくためにはその幸せに留まることなく、新たな夢を追わなければならないのですが、ようやく夢を掴んだ時の気持ちを見失い、それが当たり前に変わって次の夢を見てしまうことによって一瞬で起こる崩壊…これに共感できる人は多いのではないでしょうか。
長い目で見ればこれもタイミングが合わなかった、の一言に尽きるのかも知れませんが、恋愛の儚さ、そして難しさを痛感します。
ただ、最後のシーンでスンヒとウヨンはお互いに感謝の気持ちを述べます。
その姿は切なくも、10年にも及ぶ恋愛がお互いに決して無駄ではなかったということを感じさせてくれます。
本当の意味で最後に2人のタイミングが合った、とも言えるのではないでしょうか。
お互いが恋愛を通して成長していくが、決して最後は交わらなかった運命。
それでもお互いが出会ったことに意味がある、と思わせてくれる『君の結婚式』。
恋愛をしたことがある人なら誰もが共感できる気持ちが随所に散りばめられている映画です。