2014年12月に韓国で公開されたユン・ジェギュン監督の映画『国際市場で会いましょう』。
本作は日本人にも観光地として人気の高い釜山の国際市場(グッチェシジャン)を舞台に作られ、日本でも2015年5月に公開されています。
家族の絆を軸に描かれた一人の男性の生涯、あなたも涙なしには見られないはず!?
今回は『国際市場で会いましょう』のあらすじからネタバレ、見どころ・感想まで余すところなく紹介いたします!
『国際市場で会いましょう』あらすじ
引用:YouTube
『国際市場で会いましょう』は朝鮮戦争から戦後に至るまで、一家を支え続けたある男性の人生を辿る物語です。
実話ではありませんが、朝鮮戦争を始め、韓国の歴史や人々の暮らしをリアリティをもって描いている為、観ている人は当時の暮らしを垣間見ることができるでしょう。
物語はいきなり朝鮮戦争時代、中国軍の侵攻により逃げ惑う場面から始まります。
これは歴史上でも有名なお話ですね。
主人公のドクス(ファン・ジョンミン)は家族と共に船を目指して走ります。
ドクスは幼い妹を背負って船に乗り込もうとしますが途中で妹の手を離してしまいます。
その状況を知った父(チョン・ジニョン)は娘を探すためもう一度船に戻り命を落とします。
その別れ際父がドクスに、家長になり家族を守ることを説きます。
この父親からの最期の言葉がドクスの人生を変え、またこれから現れるあらゆる困難にも立ち向かう支えとなるのでした。
船は釜山に到着し、生き残った家族は父の妹を頼りにこの地で暮らしていくこととなります。
ここでドクスは将来親友として苦楽を共にするダルグ(オ・ダルス)にも出会います。
朝鮮戦争は休戦に入りますが戦後の貧しさから弟、妹を育てる為、ドクスはドイツの鉱山やベトナム戦争へと出稼ぎに行き、命の危険に晒されながらもダルグとともに様々な困難を乗り越えていきます。
時は経ち、孫までいるドクスの隣にいるのは妻であるヨンジャ(キム・ユンジン)。
ドイツで出会った2人は国際市場で叔母から引き継いだ「コップンの店」を守り続けていました。
朝鮮戦争時代から比べると時は流れ、韓国も、ここ国際市場も、大きな発展を遂げています。
ドクスは店の立ち退きを迫られつつ、人生をかけ守ってきたお店をなかなか手放すことができずにいましたが物語の最後では妻と語らいながらお店を手放すことを告げるのでした。
そこには「はぐれたら国際市場のコップンの店で会おう」というもう一つの約束を長年に渡り守り続けたドクスの父への深い愛があったのでした。
『国際市場で会いましょう』見どころ
引用:tistory
戦争や戦後といった重いテーマでありながらも見やすい絶妙なバランス
引用:naverblog
戦争が題材となっていると重い話になりがちな印象ですが実際に見始めると話の展開も早く、激動の時代を生き抜いた一人の人生をさらりと見ることができます。
それは物語の随所に笑いの要素や後の韓国史における成功者などを登場させる工夫が盛り込まれているからではないでしょうか。
ベトナム戦争場面での東方神起のユノ・ユンホの登場もシリアスな内容ながらユーモアに溢れています。
この様に気楽に見られる要素もふんだんに盛り込みつつ、その一方で、日本にも必ずあったであろう戦後における新たな試練、苦労ということも同時にしっかり感じることができる作品になっています。
韓国特融の家族愛
引用:tistory
韓国好きなら誰もが知っている韓国人の家族の絆。
この映画ではそれを十分に堪能することができます。
父に言われた言葉を胸にここまで家族の為に自分を常に犠牲にできる姿には胸を打たれますし、それが偽善的なものや無理やり強いられているわけではなく、心の底からそう思って行動しているように感じられるのはやはり韓国の家族に対する根本的な考えによるものではないでしょうか。
朝鮮戦争で生き別れた家族が再会するシーンも描かれていたりと、家族愛がとても丁寧に描かれている為、深い愛情を随所に感じることができます。
国際市場のロケ地は?
引用:naverblog
釜山にある国際市場(クッチェシジャン)。
この『国際市場で会いましょう』を始め、様々なドラマや映画のロケ地として登場しています。
地下鉄1号線チャガルチ駅からも近く、飲食店や洋服、アクセサリーなど多岐に渡るジャンルのお店が1,200軒程立ち並んでいます。
韓国に住む人々の生活に根付いたお店も観光客が喜ぶお店もどちらも混在しているこの市場。
1日中滞在することもできそうですね。
中でも釜山の中でこの国際市場でしか食べるこのできないタンミョンは絶品ですので是非食べてみてください。
観光客のみならず韓国人にも大人気なメニューです。
『国際市場で会いましょう』を見た感想
引用:Daumblog
家族の為に生きてきたドクス。
命をかけ、様々な思い出、そして父との再会の為に守ってきたお店だからこそ手放すことができず、移り変わる便利な時代についていけない姿には少し寂しさを感じます。
これこそ戦争を知らない人が多くなったからこそ生まれるギャップなのかもしれません。
そう考えるとこの映画は戦争を経験した人もそうでない人もどちらの視点からも色々と感じることができる映画なのではないでしょうか。
私たちが今生きているこの世の中の基盤にはドクスのように苦労してきてくれた人がいて、その人々のおかげで今があるのだと改めて痛感させられます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
戦争の悲惨さを描くとともに家族愛を全面に描いた『国際市場で会いましょう』。
あなたも涙するとともに心が温かい気持ちになれるに違いありません。
そしてそんな様々な時代背景とともに発展を遂げてきた国際市場。
釜山に行かれる際はぜひ行ってみてください。
人々の暮らしや温かさに触れることができますよ。